小アルカナには人物カードがあります。トランプで言うところのキング、クイーン、ジャックのようなものです。タロットの場合は、キング、クイーン、ナイト、ペイジの4人物がスート毎にあります。
0.考え方
タロットの解説本では、キングは年上の男性、クイーンは年上か同世代の女性、ナイトは同世代の男性、ペイジは子供みたいな事を書かれていますが、あまりいい説明だとは思いません。年下でもキングのような王様みたいな人はいますし、年上でもペイジのような子供みたいな人もいます。
実年齢よりも精神年齢や行動・振る舞いが当てはまる人物をイメージしたほうが良いでしょう。
まずはわかりやすいキングやクイーンから説明していきます。
1.キング
・振る舞いが当てはまる人物
キングとクイーンの人物札は全て椅子に座っています。そして冠をかぶっています。椅子に座っている=社会的に成功し、ある程度のポジションにいる男性です。年令に関係なく会社を経営したり、事業を自分で立ち上げたり、資格を活用して事務所や病院を開いているような人たちです。そこまでいかなくても、会社である程度の出世をした人や大工の棟梁、スポーツ界で活躍した人もキングですね。経験が豊富です。家族関係であれば父親やお祖父さんになります。
※通常は男性ですが、男性っぽい女性の場合もあります。
逆位置になると、自分の立場を利用する面が出てる人物になります。もしくはリタイヤした高齢者、昭和のおじいちゃんをイメージしてもいいですね。
・振る舞いが当てはまる人物
実年齢に関わらず、大人っぽい振る舞いをする人物や言動が年寄りっぽい(オヤジ)人物(通常は男性)
タロットでキングが出た場合、出たカードに描かれているキングっぽい人物があなたと強く関わっていることを示しています。
2.クイーン
クイーンの場合は子供っぽい女性以外の全ての女性が対象になります(子供っぽい女性はペイジになります)
※通常は女性ですが、女性っぽい男性の場合もあります。
クイーンも椅子に座って冠をかぶっていますので、自分の椅子がある=自立しているか扶養されていると考えたほうがいいでしょう。経験も豊富です。
逆位置になると、キングと同じように自分の立場を利用したり、女性らしさや女性の魅力に欠ける人物になります。
タロットでクイーンが出た場合、出たカードに描かれているクイーンっぽい人物があなたと強く関わっていることを示しています 。
3.ナイト
・振る舞いが当てはまる人物
ナイトはみんな馬に乗っています。行動力がある男性、目標があってそれに向かって行動している男性と考えられますね。現場で自ら手を動かし、仕切ってまとめるような男性です。中間管理職、現場監督やチームリーダー、職人さんなどでしょうか。キングやクイーンと比べると、経験不足で現在経験を積んでいる最中という人物です。
恋愛であれば 、あなたのパートナーや恋愛対象、友人男性、職場や仲間の男性などになります。ナイトはカードによって馬の色や動きが違います。馬は乗っているナイトの性格や今の気持ちを反映していますので参考になりますよ。
※通常は男性ですが、男性っぽい女性の場合もあります。
逆位置になると、若者らしい行動力が裏目に出てしまいます。自信がなかったり逆に過剰だったり、自分勝手な行動が目立ちます。
・振る舞いが当てはまる人物
実年齢に関わらず、理想や目標を持って成長しようとしている男性(キングを除く)
タロットでナイトが出た場合、出たカードに描かれているナイトっぽい人物があなたと強く関わっていることを示しています 。
4.ペイジ
ペイジは性別に関係なく子供っぽい人、もしくは子供・生徒・学生です。未成年でもお母さんであればクイーンになりますし、自立していればナイトやクイーンになるかもしれません。
ペイジの絵の共通点は、地面に立っていることですね。一方ナイトは馬に乗ってますし、キングやクイーンは椅子に座っています。違いを考えると、ペイジは発展途上というか、まだ目指すところが定まっていないため模索中の状況になります。役職で言うと一般社員やアルバイトということになります。地道に汗をかいて行動している人達です。
もう1つの共通点は、ワンドやカップなどを見つめていることです(ソードは情報収集しているので周りを見ている)これは、自分中心ということですね。自分のことが大事、自分が今の一番の興味ということになります。
逆位置になると、子供っぽさが目立つ人物になります。特に大人の場合は、大人になれていない大人ですね。
高齢者がペイジになる可能性もあります。歳を取ると気持ちや考えをストレートに言ったり、わがままになったり、どんどん子供のようになっていきますよね。そういった年寄りはペイジとして出てくる時もありますし、お世話が必要な認知症の人はペイジかもしれません。
人物カードは実年齢よりも精神年齢やその人の振る舞い方で考えるとわかりやすいと思います。
5.人物カードとスートの関係
最後に各スート(ワンド、ソード、カップ、ペンタクル)と人物の関係について触れておきます。
ペイジとナイトは、まだスートの力を持っておらず身に着けようといる発展途上の人物です。クイーンやキングになるとすでにそのスートの力や能力をすでに持っており、それを活用している人物になります。持っているか持っていないか、この違いはカードを読む上で非常に重要で、特に逆位置になった場合に意味の違いがはっきりしてきます。
ペンタクルが一番わかりやすいのでペンタクルで説明すると、ペンタクルのペイジとナイトはペンタクル(スキルやお金や立場)を獲得しようと頑張っている人物です。ペンタクルのクイーンやキングになるとすでにペンタクルは持っており、それを活用している人物になります。
ですので、逆位置になるとペイジやナイトはスートのスキルや能力を獲得しようと頑張っていない状況、頑張ってるんだけどできない状況になりますね。
一方クイーンやナイトの逆位置は、すでに持っているスートのスキルを悪用したり、持っているのに使っていない、使えなくなってしまった状況を表しています。