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大アルカナを絵柄の特徴で分類してみよう

一通り大アルカナのカードを説明してきましたが、ここでは、絵柄の共通点や特徴をもとに分類することによって、体系化をしながら頭を整理したいと思います。

※ここで行う分類は、私が勝手に分類しているものです。特にどこかの知識体系を参考にしたものではありません。

1.正しい教えと悪い誘い

教皇と悪魔

教皇悪魔も構図はよく似ていますね。手を挙げているのは、「注目!」ということなのでしょうが、教皇が世の中のルールやマナーなど社会生活をする上で大切なことを教えてくれるのに対して、悪魔はルールやマナーを無視して自分の欲を満たす方法を耳元でささやきます。教皇のカードも逆位置になってしまうと、自分の利益のために悪魔になってしまいます。

2.天使のご加護と悪魔の誘惑

恋人と悪魔

この2枚のカードは本当によく似ています。天使か悪魔の違いだけです。恋人の場合は天使が裸(無垢)の2人を守ってくれますが、悪魔の場合は誘惑して、たぶらかして理性を失わせてしまいます。でも、天使のカードも逆位置になれば、悪魔のカードと似た状況になり、2人の関係は「類は友を呼ぶ」ようななーなーの関係になってしまいます。居心地はいいかもしれませんが、あなたの貴重な時間は失われます。

3.守る天使と告げる天使

恋人と審判

この2枚のカードは共に天使が中央にいますが、天使のアクションが違いますね。恋人はそっと見守る感じなのに対し、審判は天使の方から声かけをしています。審判の方がより積極的なアプローチです。審判が出たときは、今までは聞こえなかったもの、見えなかったもの、気が付かなかったものにハッと気付かされることがあります。何げない日常の出来事も「何か意味があるのではないか」と自分の感性を研ぎ澄まして、天使の言葉を逃さないようにしましょう。

4.外向きの人と内向きの人

戦車と女教皇

戦車女教皇も色合いが似ています。戦車は白と黒のスフィンクスですが、女教皇は白と黒の柱です。また、戦車の人物の肩には月をあしらったデザインがありますが、女教皇も冠の部分が月のデザインになっています。2人は性格も性別も違いますが、共通するところは若者ということでしょうか?

共に月が描かれていることから、白と黒は彼と彼女の気持ちを表しているのだと思います。若さや経験の浅さからくる期待と不安、理性と本能の間で葛藤しているところはお互い同じなのですが、戦車は外へ飛び出して成長したい意思、女教皇は自分自身の内面と向き合っていきたいという方向性の違いなのでしょう。

5.解決方法の違い

正義と節制

正義は剣と天秤を持っています。節制は2つの違ったものが入った水差しを混ぜ合わせていますね。これは、問題解決のアプローチの違いを表しています。正義はAとBの2つの解決方法があった場合、どちらか一方をとりどちらかを捨てます。つまりAかBです。裁判と同じです。

一方節制の場合は、2つの案の折衷案・落としどころを探します。つまりA+Bです。一見中を取る方がいいようにも思えますが、どっちつかずの中途半端になる危険性もあります。

どちらの方法がいいとか優れているとかではありません。アドバイスで正義が出たらAかBかどっちかを選ぶように伝えています。ただし天秤を持っているので客観的に、相手側の意見もちゃんと聞いた上で判断してね!とも言っています。節制であればA+Bを考えてみるといいでしょう。

6.関わり方の違い

運命の輪と世界

運命の輪世界も四隅に似たような人物や動物が書かれています。この世の中に関わっている人たちなのでしょう。大きな違いは真ん中に人物がいるかいないかです。運命の輪はわっこが真ん中で回っていますが、これはいったい誰が回しているのかわかりません。この状況だと、流れに身を任せるしかありません。

でも世界のカードは真ん中にあなたがいて、この世界を回そうと、まとめようと指揮をしています。運命の輪は私たちがコントロールできない力ですが、世界はあなたが音頭を取って周りと調和しながらまとめることができます。

7.目覚め方の違い

審判と塔

一見似ていないカードですが、外からあなたにインパクトを与えるという意味で同じです。審判はあなたの無意識的な部分に働きかけて何かを伝えようとします。それは過去の何かを思い出させようとするようなことです。目覚まし時計的な時限爆弾的な、以前にセットしたものが天使のお告げがトリガーとなって発動するイメージです。

一方何の前触れもなく、いきなりドカンと発動します。雷が落ちるような不意打ちです。逆位置の場合は、あーそうだったのか!って起こってから気が付くんですけどね。

8.旗の意味の違い

死神と太陽

共に人物が白い馬に乗って旗を持っているという共通点がありますね。死神は黒い旗に白いバラが書かれています。モノトーンで温かみを感じません。太陽の旗はオレンジ色からポジティブさを感じます。

旗はメッセージを表します。死神の持つ旗は前に進んでいく決意を表してます。あなたの不退転の決断と覚悟をみんなに宣言しているのです。あなたの決意表明ですね。一方太陽の旗は、あなたの喜びや成し遂げた成果を周りにアピールしているものです。「やりましたあ、見てくださ~い」です。

共に前を見ている点では一緒です。白い馬は従順な馬です。気持ちと行動は一致しているということですね。

9.対極の女性

女教皇と女帝

絵柄は似てませんが女性つながりということで、女教皇女帝を比較してみましょう。でも共通点はほとんどありません。

女教皇はたぶん独身でバージン。純粋だけど神経質でストイックな女性です。一方女帝は結婚して子供がいて、優しさや寛容さを持った女性です。ストイックさはなく、どちらかというと楽しいこと優先です。

これもどちらがいいとか悪いとかではありません。独身だって女帝のような人もいますし、お母さんでも女教皇のような人はいます。おそらく女性はどちらも持っているものです。どちらが強いかはその人によります。アドバイスにこのカードが出たら、そちらの女性性を意識的に使ってみれば?ということだと思います。

10.∞は何を表すのか?

魔術師/力/世界

最後は絵柄に「∞」が描かれているカードです。∞はレムニスケートとかインフィニティとか言われます。無限大と訳されますよね。魔術師力のカードの女性の頭に描かれています。また、世界の人物の輪の上下2箇所に赤い∞のマークがあります。

ここからは自分の説なのですが、この3人の人物の共通点が∞の意味なのではないかと思っています。それは、「相手や周りの環境に合わせる柔軟性」なのではないかと思います。相手の状況やあなたの置かれた環境を知恵を使ってきちんと把握し、相手に合った解決方法を選択し行動する、そんな理想的な言動の象徴なのではないかと考えています。多様性、ダイバーシティにつながる考え方ですね。頭の柔らかさの象徴でしょうか?